第2集

夜道

 夜の道

 步いて步いて

 鳥がばたばた

 鳥もまた働いてゐる、

 命を繫ぐために働いてゐる、

 それとも逢引してゐただらうか、

 ゆふげに心が彈んでゐただらうか

 だが少なくとも、

 煙草を賣る哀しさには適ふまい、

 |他人《ひと》の態度に搖れる|秤《びん》には適ふまい。

 鳥が飛び立ち驚いて

 私は音に焦がれてた

 自由な翼に焦がれてた

 鳥の自由に焦がれてた

次:立春

前:かはらん事やろ

公開:2022年5月8日

初出:2018年2月6日

著:絲

適用:CC0[著作權抛棄]

📚 gemini://sinumade.pollux.casa/sinumade/2018/2/56.gmi