第8集

共通點

 ぐねぐねと

 車の光に照らされた夜道に

 君は本物の腸をぶちまけてゐた

 不快に思つたその刹那

 歸りの朝にはすつかり消えてゐた

 私の腦內からも消えてゐた

 思ひ出したのは

 死ぬ直前の

 人間の說明を聞いたからだ

 いつ死んでも良いと思つてゐたのに

 脚はがくついてゐた

 かすかな嘔吐の氣配を

 孕んでゐた

 誕生日も迎へずに

 死ぬのかね

次:死に、詩に曝し。

前:どうして發露

公開:2022年5月8日

初出:2018年7月9日

著:絲

適用:CC0[著作權抛棄]

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