第3集

ダイアモンドの|末路《おもひで》

 私にもダイアモンドがあつた頃があつた

 身にもつけず

 ろくに見もしなかつたけれど

 だからこそ賣つたのだ

 二千圓で

 成人祝ひなど要らぬのだ

 私には|高價《たか》すぎて 手も觸れられぬ

 ただの石ころ

 それよりか

 今はあなたとハグしたい

次:|男體《なんたい》の不思議

前:遲刻

公開:2022年5月8日

初出:2018年3月6日

著:絲

適用:CC0[著作權抛棄]

📚 gemini://sinumade.pollux.casa/sinumade/2018/3/179.gmi