第2集

觀葉

 空色紅色翡翠の色

 その水晶が窓邊に欲しく

 その洗練が花壇に欲しく

 買ひ漁る

 嘯き手にした金を握り締め、

 買ふ、買ふ、買ふ

 まるで命が惜しいやうだ

 ああ

 窓邊に飾る、命よ、

 君は金で買へる命だらうか

 せめて食すためと言つて、

 それは必須の命だらうか

 私の求めるものだらうか

 君よ、

 自由であれ

 たとへ奴隸のやうではあつても、

 ただ自由な君よ、

 私が望まずとも自由な君よ、

 薄汚れた飼主氣分など構はずに、

 自由に咲く君よ、

 君の なんと美しい事か……

 その美しさのために

 窓邊に繫ぐ私を

 どうか赦しておくれ……

 君は氣にする氣すら持合せぬが

次:|生《なま》の埋葬

前:朧月

公開:2022年5月8日

初出:2018年2月13日

著:絲

適用:CC0[著作權抛棄]

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