第2集

書かう

 手紙を書かう 手紙を書かう

 やつぱりあなたと話しがしたい

 驚いた あなたの聲が聽きたいものだ

 生身の聲を聽きたいものだ

 どうしてくれよう

 君との會話と 生身の反應と

 私は過去にすがつてる

 口を開いて しやうもない話ばかりといふに

 夕暮の まつたりとした話し方を思ひ出す

 今は寒く 安らぎ知れない

 あたたかい陽の中で 又あなたを知つてゐたい

 さう思ひ|文《ふみ》を|認《したた》める 早朝の目覺め

 觸れますやうに——

 何より私は、あなたに觸れたい

 感じたいのだ

 君想ふ、故に我書す

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公開:2022年5月8日

初出:2018年2月6日

著:絲

適用:CC0[著作權抛棄]

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