第11集

八月二十二日

 よく晴れた八月の日

 寢坊した十時に

 私は遊ぶ時間が減つてしまつたと

 焦つてゐたけれど

 あなたは變らず

 へらへら笑つてた

 約束の通りに髮を切る

 穴を空けた新聞紙をすつぽりかぶつて

 私はフードをかぶりながら

 あなたの長いクセ毛に鋏を插し入れた

 自分でも自讃するその出來に

 あなたも贊同してくれた

 胸の內側にかいた

 たくさんの汗も

 このためならば

 何と快い

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公開:2022年5月8日

初出:2018年10月14日

著:絲

適用:CC0[著作權抛棄]

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